2007年10月19日

Legacy Lost


これは、先のChorrolでの生き別れになった双子の兄弟の話の続編である。


幼い頃、家屋敷をオーガに攻められ、母を亡くした上に生き別れになってしまった双子の兄弟が永い時を経て、再会を果たした日の翌朝、私はChorrolの街に出た。

双子の兄弟のうちの一人のGuilbertから、彼らの家のあったというWeatherleahと言う土地が、未だにオーガに占領されているかどうかを調べて欲しいと頼まれたのだが、それを実行するにはまだ余りにも手元にある情報が少ないので、新たな手掛かりを集める為だった。

聞き込みを始めて程なく、Sabine Laulという女性の名を聞いた。
彼女はこの地域一帯をくまなく散策した事があるとかで、私の問いにも答えてくれるんじゃないか、との事だった。

私は早速、戦士ギルドに時々顔を出すと言うSabineの元へ向かった。



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「Weatherleah・・・ああ、そうだ。 思い出した。」

Sabineは快い挨拶の後、自分の記憶を辿ってその知るところを親切に教えてくれた。

「Chorrolからまっすぐ南です。 オーガたちに侵略されていますが。」

と地図を示してくれた。




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・・・これで目的地の所在と、そこが今でもオーガ共のねぐらとなっている事はハッキリした。
後は手荷物を整えて、街を経つだけだ。


鬱蒼とした森の中、Chorrolから南下するなら山の斜面を駆け下りる事になるのだが、これがかなりな急斜面だった。
しかも霧が深く、視界が悪いのでWeatherleahの捜索は思いの外困難だった。



しばらく進むと急に斜面が終わり、平地になった部分が見えてきた。
地図を見る限りはこの辺なのだが・・・目指す場所は近いはずだ。


すると突然、「ウオオォォォォアアァッッ !!」と、声とは言えない怒声を上げて異形の生物がこちらを目掛けて突進して来た。


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オーガだ!!

オーガといえば体は小山の様に大きく、恐ろしいまでの力を持ち、人の肉を喰らう怪物だという知識は持ってはいたが、実際に目にするのは初めてだった。

慌てて剣を抜き応戦した。
が、いくら切り付けても倒せる気がしない程のバイタリティで、しかも奴の攻撃はとても痛い。 接近戦じゃとてもじゃないがこちらの身が持たない。



岩石の様な奴のパンチを、身を翻して辛うじてかわすと同時に、必死の思いでこの周りに点在する大岩の上へ急いで駆け上がった。
振り返ると、奴はまだかなり遠かった・・・オーガの足はかなり遅いのだ。
しかもこちらが、よじ登れそうにもない大岩の上に立っているのにも関わらず、まっすぐこちらへ突進してくるしか能がない・・・つまり回り込んで登れるところを探す、というところに全く気付く様子もない・・・恵まれた基礎体力と体格に反して、知能はかなり低いと見た。


「よし・・・これなら・・・。」
私は弓矢と魔法による遠距離攻撃に活路を見出した。

以前、絵とはいえトロールと戦った事があるが、あれはめっぽう火に弱かった。
オーガはどうだろうか・・・。



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まずは弓矢で狙い撃ちしてみた。
さすがにちょっとやそっとでは弱りそうもないが、トロールの様な強力な再生能力はないらしい。
これなら地道に射殺す事も出来そうだ。
文字通り矢継ぎ早に矢を撃ち込み、


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とうとう奴を始末した。



この様子だと、オーガはまだ他にも潜んでそうだ。
まずはこの事をChorrolで待つ兄弟に知らせる事にした。


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「そうか・・・あそこにはまだオーガがいるのですか・・・。」

Guilbertは落胆の色を隠し切れない様子でそう呟いた。

「友よ・・・あなたに頼ってもばかりいられないのですが、しかし我々は戦士ではないのです。
あそこが安全になったら報せてください。 私達はオーガさえいなくなれば、先祖代々続いて来たあの家へ一刻も早く帰りたいのです。
家族の仇を取って下さい・・・オーガ共を殺して下さい。」



彼らにとっては悲痛な願い。
そしてオーガは私にとって、決して簡単にとはいかないけど勝てない相手じゃない事は分かった。

私は再びオーガの巣食うWeatherleahへ戻る事にした。


数日後。

私はReynaldとGuilbertの兄弟を引き連れてWeatherleahへ戻って来た。
彼らの母の仇をとり、彼らの家が再び安全を取り戻した事を知らせ、そこへ彼らを案内してきたのだった。



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「素晴らしい! Weatherleahは俺達のものだ!」

兄弟は平和を取り戻した彼らの生まれ故郷を見て最高の笑顔を見せてくれた。


この様な辺境の地と言わざるを得ない場所で生活するのはそう簡単な事ではないだろう。
永らく使われていなかった家屋敷の傷み方もひどいものだったし、家の周りも荒れ放題。
まずはここが人の住めるところとして機能させるまですらも大仕事である事は想像に難くない。

そしてもし、それが済んだとしても、城壁に囲まれた街に比べると危険が多い事は免れないだろう。

しかしそれでも、先祖代々引き継がれて、幼い頃二人で駆け回ったであろうこの土地で再び暮らす事を彼らは望んでいるのだ。

・・・もはや私には彼らを諌める言葉を知らない。



私は、彼らが失われた幸せな時間を埋めて余りあるだけの、これからの幸せで満たされる事を願いつつWeatherleahを後にした。


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Legacy Lost -終わり-

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